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<富田林逃走2週間>大阪府警、鈍い初動捜査 周知もずさん

<富田林逃走2週間>大阪府警、鈍い初動捜査 周知もずさん
起訴できる事案しか捜査しない
詐欺事案など民事くずれて的な事案は積極的に動かないなど
警察検察はいったい何処にいこうと考えているのだろうか?
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大阪府警富田林署で勾留中だった樋田淳也(ひだ・じゅんや)容疑者(30)が署内で弁護士と接見後に逃走した事件は、26日で発生から2週間を迎えた。府警は今も3000人態勢で行方を追うが、初動捜査が後手に回った状況が明らかになってきた。逃走に1時間以上気付かず、緊急配備や地元への周知もずさんで、府民からは厳しい声が寄せられている。府警の事後対応を検証した。
◇認知1時間遅れ/実家周辺調べず
署が逃走に気付いたのは12日午後9時43分。弁護士と接見していたはずの樋田容疑者が面会室におらず、署内に非常ベルが鳴り響いた。「留置人逃走! 樋田淳也、30歳」。署員が約7分後、府警本部通信指令室に110番。1分後、府南部の計17署に限定した緊急配備が発令された。その時点では「たった今逃げた」との認識だったが、実際にはその1時間以上前に逃げていた。
午後8時半ごろ、樋田容疑者とみられる男が、赤い自転車で北へ逃げる姿が署の周辺の防犯カメラに映っていた。
13日午前0時ごろ、署から約9キロ北にある大阪府松原市で黒い原付きバイクが盗まれた。午前1~2時ごろ、大阪市浪速区で黒い原付きバイクによるひったくりが2件発生。府警は樋田容疑者が関与した可能性があるとみているが、大阪市内は緊急配備の対象外だった。ある府警幹部は「当初は歩いて逃げたと考えられ、大阪市内まで行く可能性は低いと判断した」と話した。
午前3~4時ごろには、樋田容疑者とみられる男が何かを食べながら歩く姿が、松原市内の実家近くの防犯カメラに映っていた。だが、捜査員が実家近くに向かったのはこの日朝で、容疑者の姿は既になかった。
住民への周知も大きな課題を残した。事前登録者に府警が防犯情報を知らせる「安まちメール」を配信したのは13日午前6時28分で、発覚の約9時間後だった。メールは計21万人が登録し、配信を希望する地域などを選ぶ仕組み。しかし府警は当初、対象地域を「富田林署」に限定して配信したため、約6000人にしか届かなかった。
また、署は周辺自治体との間で、住民に危害が及びかねない事件が起きた場合に情報提供し、防災行政無線で注意喚起してもらう覚書を結んでいる。ところが、署が自治体に要請したのは事件発覚の約15時間後で、無線が活用されたのは署周辺の4市町村だけだった。幹部は「前例のない事態で対応に手間取った」と明かした。
府警によると、事件後、府民らから「管理が甘い」「失態だ」などと多くの苦情が寄せられ、24日現在で計2866件に達している。【三上健太郎、宮川佐知子、村田拓也】


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