日本市場狙うアイルランド　持続可能性が武器　EPA見据え東京に代表団　独自認証を紹介

＃探偵＃企業調査員＃の独り言
消費者に取ってはいいことだが、業界は政治的にも大反対するのでは無いか！
政治に守らている業界は競争力が低下＆品質低下しているのでは？

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アイルランド産食品を売り込む通商代表団が来日し、東京都内でセミナーを開いた。日欧経済連携協定（EPA）が動きだす前に、早めに日本市場で名乗りを上げるのが狙い。日本が輸入する牛肉や乳製品は、米国やオーストラリアなど既存輸出国ががっちりと市場を押さえている。アイルランドは「オリジン・グリーン（OG）」という認証を最大の武器にして、日本の消費者の心を捉える戦略だ。

　地理的表示（GI）や農業生産工程管理（GAP）の仕組みは欧州から既に日本に伝わり、定着している。それではOGとは何か。

　「4年前に世界に先駆け初めて誕生した、農業から食卓まで通し持続可能性を保つプログラム。GIやGAPとは全く違う」と説明したのは、OGを主導するアイルランド食糧庁のタラ・マッカーシー長官。農家を含むフードチェーン全体の当事者が、温室効果ガス、生物多様性、廃棄物、節水、地域の持続性などの面でそれぞれが改善する数値目標を立て、実践する。独立機関がその「約束」を厳密に検証するという仕組みだ。

　この間に企業566社が参加し、1600もの目標を立てた。そのうち生物多様性に関する目標は95ある。

　アイルランド食糧庁の資料によると、同国中部の牛肉農家、ジョナサン・グリーンさんは、1キロ当たりの牛肉生産をする際に発生する二酸化炭素の排出量を9・9キロ削減したという。

　同長官は「毎日100人以上の独立した監査人が農場を訪問し、環境への影響評価をしている。それらのデータは国全体で蓄積し、農家は自分の農場の評価を見ることができる」と説明した。

　環境への負荷を減らすため、牧草などの地元資源を大切に使う。肥料や農薬も減らす。トラクターの移動を最小限に抑え、燃料も削減する。いずれも当たり前のことに見えるが国全体で方針を決め、参加者を募り厳密なチェックの体制を短期間でつくり上げるのは、相当なエネルギーが必要なはずだ。

　アイルランドは日本では知名度が低いものの、500万人に満たない人口で3500万人分の食料を生産する食料輸出大国。代表団を率いたマイケル・クリード農相は「北半球で最大の牛肉純輸出国は、米国ではなくてアイルランドだ」と記者会見で胸を張った。そのアイルランドの食品輸出総額の9割以上は、既にOGの正式メンバーが生産する作物だという。

　日本で開いたセミナーでは、OGを強調するアイルランド側の説明に、いまひとつ輸入業者の反応は薄かったように見えた。日本の輸入食品市場は「品質」と「コスト」が重視されるからだ。地球や地域の持続可能性という全く新しい考え方を掲げるアイルランドが、日本市場で他の輸出国とどのような競争をするのか。また、消費者がどのような反応をするのかは、日本の農業の行方にも影響を与える可能性がある。